15/July/2004 Bregenz
朝から雨。
しかも、高地にいるために息苦しさがなかなか抜けません。
寒さもたたって何となく朝から具合が悪い。
本日の予定はあまり多くないので、
無理せずにゆっくりと出かけることにしました。
実は昨日、ここダヴォスではジャズフェスティバルが行われた様子で、
夜になっても観光客でにぎわっていました。
そのお陰か、帰りの電車は満員。
帰りは山を下りるだけなので、電車も行きより幾分速く、
壮快に山間を走り抜けていきました。
約1000M下りたところで乗り換えです。
電車を降りると蒸し暑さを感じました。
そう、高度が下がったので、気温も上がったのです。
天気もだんだんと回復し、時折日が差してきました。
そして、今度はオーストリアとの国境付近に向かいます。
そこで、もう一度乗り換えてオーストリアに入国。ブレゲンツに到着です。
最後の乗り換えのところでパスポートチェックを受けました。
さて、ブレゲンツ。天気も完全に回復し、青空が広がりました。
気温もかなり上昇していて、コートは場違いでした。
(どんな山奥から来たのかしら?という格好でしたから)
ホテルに荷物を置いてからいざ、市立美術館へ。
再びピーター・ズントーです。

今は、ジェニー・ホルツアー という、電光掲示板を利用した
展示を行うアーティストの展覧会を行っていて、
自然光が全くシャットアウトされている!
あまりのショックに、言葉を失いました。
せっかく、美しい天井を見に来たのに、なんてことでしょう。
ジェニー・ホルツアーなら豊田市美術館でみているから結構よ、
しかも、ここでは主にドイツ語だからわからないし、と落胆。
それでも、外観は圧巻でした。面によって光の受け方が異なり、
ある面では、小口方向で光を受けていたり、ある面では広い面で受けていたり、
表情があって美しいです。
さらに、グランドレベルからガラスのエレべーションが立ち上がっている。
一応、外側に向かって地面は傾斜していますが、ガラスのところにきた水は
地下まで下りることになっているんですね。
そこまでして、エレべーションの美しさを実現している努力に脱帽です。

昨日見たキルヒナー美術館もガラスで出来ていますが、
どこが異なるのかなと考えていました。
キルヒナーは思い切りが良いデザインだと書きましたが、
ズントーのブレゲンツ美術館は落ち着いた雰囲気を持つと言えるのではないか
と思いました。ディテールと素材の扱い方に細心の注意を払っている。
「きちんとした」という印象を受けます。
写真だとそのあたりの雰囲気の違いがイマイチわかりにくいですよね。
ブレゲンツは湖に面した街で、のどかです。
人々の顔の作りもどことなくスイス人とは異なります。
若い人は割と愛想が良いですが、おばさんはあまり愛想よくないです。
少し、国境を越えただけでこんなにも印象が違うかと驚きます。 |