13/July/2004 Vals

今回の旅行の目玉のもう一つ、ピーター・ズントー設計による
ヴァルスの温泉にいます。
そして、今日、とうとう温泉に入りました。

実を言うと、その前にマッサージにも行きました。
偉大な建築の中にいることを忘れて、ひとときのリラックス。
旅の疲れというより昨日の山登りの疲れを癒しました。
マッサージは温泉の下の階にあります。マッサージが終わった後の
お茶を飲むラウンジがまたすばらしい。
大きな窓が景色を切り取っていて、絵を見ているような気分にも、
また外の自然の中にいるよう気分にもなります。

それから、温泉。
作品集で見ていると建物はクールな感じが助長されていますが、
実際に入ってみると、どこからでも自然を見ること、
感じることが出来て、和やかな気分になります。
逆に内部空間のクールさは内部に取り込んだ周りの自然を引き立たせる
ためであると言うことがわかります。
石の感じも外の岩山と調和しているので違和感を覚えません。
また、中央のメインプールの天井から注ぐ青い光は天井面を暗くせず、
かといって明るくしすぎない効果を持っていて、
やはり視線は自然の方に促されます。
メインプールの四隅に配置される小さなプールのボリュームと
天井の間にはスリットが切られていて、光が差し込みます。
この光が石に光の筋を作っていて、幻想的です。
利用者はおじいちゃんおばあちゃんがほとんどでしたが、
皆、楽しそうでした。杖をついたおじいちゃんも
一人で自力だけでプールに入っていて、驚きました。
周りの人も、その人に何か怒らない限りは不要な手助けはしないんですね。
日本のおじいちゃんもこのぐらい積極的に一人で何でもこなせると良いのに。
(そうすると、少し楽になるおばあちゃんが増える?)

そして、お昼ご飯の後ちょっと昼寝をしてから夕方にもう一度温泉に行きました。
すると、午前中より若者が増えていた。

写真でみるといろいろな空間がありそうに見えるのですが、実際に使うと
一体空間あることがわかります。そのなかで、全部を見渡せることはなく、
場所場所で異なるシーンに遭遇することがとても印象的です。

写真は本当は禁止されているのですが、
人がいなかったのでちょっと失敬して・・・
これは、リラックスルームの中です。
ベッドに寝ながら外の風景が見えるように、
少し窓の開口が上向きに切られていることが
わかりますか?


ホテルのラウンジテラスからの眺望。
温泉の建物が緑を切らないように、
屋上緑化されています。
水色の筋の部分が、スリットのトップライト。


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